倉敷芸術科学大学のビジュアルプロジェクトは、学部の枠を超えた教員と学生の共同による研究、発表、創作活動を、自然に恵まれたキャンパスを舞台に展開する本学独自のプログラムです。キャンパス内に設置された作品群やXR技術を活用した取り組みは、キャンパスに独創的な空間を生み出し、新たな大学のイメージを内外に発信します。さらに、これらの取り組みはデジタル仮想空間にも表現され、アートとサイエンス教育の一環として、視覚的な形でその成果を示すことを目指しています。また、他大学や地域との連携を進め、多様な活動の広がりを実現します。このビジュアルプロジェクトは、5つのテーマを色で表現することで、さらなる多彩な展開を可能にしています。

Green Project 自然景観
Creating a Butterfly Garden Full of Life.
「命溢れる蝶の庭づくり」

学内の生物相を豊かにし、学生が生命と触れ合う機会を増やすことを目的として、7号館の前にバタフライガーデンを2023年に設置しました。
春から秋まで開花が途切れないように様々な植物を植えることでチョウを呼び込み、幼虫の食草となる植物を植えることで、繁殖を促しています。ナミアゲハ、キアゲハ、ツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、モンシロチョウなどの繁殖が確認されています。
PROJECT MEMBER |
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船橋浩平(生命科学部・4年) |

キアゲハの幼虫は、パセリやニンジンなどセリ科の植物を食草としています。終齢幼虫は、鮮やかな緑と黒の模様で、パセリの中にうまく溶け込む保護色となっています。幼虫の姿にそれぞれの生存戦略を見ることができます。

ツマグロヒョウモンの幼虫は、パンジーやビオラなどスミレ科の植物を食草としています。黒い体色に赤のトゲトゲでいかにも毒がありそうな風貌ですが、実際には毒は無く刺したりもしません。警告色によって身を守っています。幼虫の姿にそれぞれの生存戦略を見ることができます。
Lavender Flowering in Fragrance Garden
「命溢れる蝶の庭づくり」

日本で唯一の「芸術」と「科学」を冠する倉敷芸術科学大学に相応しいキャンパス造りのため、「香りの庭」を造りました。視覚と嗅覚を刺激する創造的空間を創出するとともに、香りを抽出して成分を分析するなど、科学的な分野での活用も行います。
PROJECT MEMBER |
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[植栽・栽培管理]:岡憲明(生命科学部・教授) |

香料採取用のヨーロッパのバラとして「ローズ・ド・メ」と「ダマスクローズ」を栽培しています。ほかに、中国原産の食べられる「食香バラ」があります。

採取した植物から香気成分を水蒸気蒸留等の方法で抽出し、アロマオイルを作ります。アロマオイルは成分分析等の研究に利用します。
Tissue Culture of Grape Seeding
「ブドウの芽生えの培養」

高梁川流域だけに自生するシラガブドウを活用した新たなワイン用ブドウの新品種育成を目指し、岡山理科大学、倉敷市、ふなおワイナリーと共同で行うPJ です。絶滅が危惧されるシラガブドウと栽培種であるマスカット・オブ・アレキサンドリアとの交配種について、本学では無菌培養による新品種育成を行っています。
PROJECT MEMBER |
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[無菌培養・育苗]:岡憲明(生命科学部・教授) |
Blue Project 地域活性化
FukuyamaCity RoseArena ProjectioMapping
「福山市ローズアリーナプロジェクションマッピング」

2024年05月18日(土)〜05月19日(日)と福山市ローズアリーナで大規模プロジェクションマッピングを実施。
これは2025年実施のROSE EXPO 2025 のプレイベントとして開催されたもので、映像制作・設営などに学生が参加した。
PROJECT MEMBER |
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[アニメーション・映像・VFX]:ナカガワヒロカズ(芸術学部・教授) |

ローズアリーナ入ってすぐの正面〜側面では大型プロジェクターによってバラモチーフのプロジェク ション映像を投影。ウェルカム映像と同時にフォトスポットとしても盛況であった。

音と動作に反応して映像が大きく変動するインタラクティブ作品を展示。声を出したり動き回ったりするこどもたちに人気。ファミリーで楽しめるコンテンツとなった。
White Project キャンパス環境
BUTTERFLY GARDEN
「蝶の庭」

学内のガーデンにサインデザインを作成するプロジェクト。研究テーマと紐 PROJECT MEMBERづいたガーデンの解説をサインを通してすることで、各ガーデンのアカデミックな意図を示すことを目的としています。
バタフライガーデンでは蝶が集まってくる草花が植えられており、蝶が舞うガーデンとなることを解説しています。芸術学部生の挿絵のイラストのような蝶が集まってくることをイメージしています。
PROJECT MEMBER |
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[イラストレーション]:檜垣衣(芸術学部・3年生) |
Red Project デジタル創作活動
Garden Sign X XR Project
「ガーデンサイン× XR Project」

アプリ不要でWebブラウザだけでAR(拡張現実)を体験できる8th Wall社のWebAR技術を使って、学内3箇所のガーデンサインにスマートフォンのカメラをかざすことで、季節や時間によらず、ガーデンに咲く花や生態系の様子を写す写真を多くの人に見てもらうことができます。
3つのガーデンの一つ「モネ× 琳派」では、歴史的な絵画に登場するモネの描いた睡蓮と琳派が描いた杜若(かきつばた)の花が咲いた様子をいつでもARで鑑賞できるようにしました。
PROJECT MEMBER |
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小川大輝(芸術学部・1年生) |
Yellow Project 創作活動