学長挨拶
倉敷芸術科学大学は平成7年の開学以来「芸術と科学の融合/協調」をミッションとして掲げ、芸術と科学を両軸にして人材育成に尽力してまいりました。これまで日本では、芸術(アート)と科学(サイエンス)は対極にあるものであり、両立を目指す教育は困難であると考えられてきました。ところが、21世紀型教育として欧米で注目されているSTEAM教育(Science、Technology、Engineering、Arts、Mathematicsを統合する教育)は、まさにこの「芸術と科学の融合/協調」を実現するための教育であり、「芸術」と「科学」を大学名に冠した本学は、この潮流に先んじたものであると自負しております。
しかしながら、アート思考やデザイン思考をはぐくみ、機能性や論理性のみならず感性や直感も大切にできる人材の育成は、従前の知識習得型学習のみでは難しいことは明らかです。実社会の問題を発掘し、解決するPBL学習などアクティブラーニングへと教育内容を転換していくことが喫緊の課題であります。さらに、学部・学科の垣根を越えてさまざまな分野を学び、学生それぞれの内面で「芸術と科学の融合」が起こるような仕組みづくりも必要です。これらを早急に実現するために、教職員一丸となって教育内容を検証しながら、学生にとって有益な学びの場が形成できるよう努めてまいります。
本学は、建学の理念「ひとりひとりの若人が持つ能力を最大限に引き出し技術者として社会人として社会に貢献できる人材を養成する」を実現するために、学内や地域の資源を最大限に活かして「アート&サイエンス教育」を創り上げていきます。そして、学生の成長に主眼をおく「学修者本位の大学」を目指します。